30年前の思い出

30年前の思い出

30年前の話です。
私が中学1年の時の夏休み、A君から電話がありました。
私の中学には同じ名字の人が3、4人はいて、下の名前で皆呼びあっていたのですが、その時の電話はA(名字)だけどと、名字しか名乗ってくれないのです。
私は誰だか解らず4人いるAという名字の友達を順番に言っていったのですが、言い当てたのは最後でした。
電話をしてきたA君は、
「もう、用事忘れちゃった。」
と言って電話を一方的に切りました。

私は、誰だか解らず悪い事をしてしまったと思いながらも、用件は何だったのかと気になっていたのです。
その電話があってから5日過ぎた頃、私宛に手紙が届きました。
差出人は、電話の彼です。
全然可愛くない普通の白い封筒に白い便箋で、筆圧のしっかりした黒ボールペンでかかれたものでした。
何だろうと手紙を開くと、
「この間の電話はスキって言おうとしたのに、間違えるから言えなかった。
今度、どっか行こうね。」
と、書かれていたのです。

スキの二文字は、ハートで囲まれていました。
初めて男の子からラブレターらしきものを貰った私は、変なテンションで舞い上がり自慢気に兄に見せたのを覚えています。
そして、私はそんなに好きでは無かったのに、ラブレターを貰ったことが嬉しくて、可愛い封筒と便箋にお返事を書きました。
その後、おままごとのような中学生の付き合いをしたのですが、40代になった今では微笑ましい思い出になっています。

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